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インドネシアからのお客さん

Sariさん

 1学期に、インドネシアから日本に来ているSari Astutiさんという女性に岩出小学校に来ていただき、5,6年生の外国語活動の授業のお手伝いをしていただきました。和歌山大学で日本語と日本の教育システムについて勉強されている方です。そのSariさんが、先日、前回の訪問時に子どもたちに渡せなかったインドネシアのお土産を持ってわざわざ学校に来てくれました。とても義理堅い方です。
 前回の訪問時にはあまり時間がなくて、お話をする機会がとれなかったのですが、今回インドネシアのことを色々と聞かせていただくことができました。英語半分、日本語半分の変な会話となりましたが、話している途中、自分が英語をしゃべっているのか日本語をしゃべっているか分からないような、何か奇妙な感覚になっていました。

 次のようなお話しがありました。

〔気候について〕
今、インドネシアは雨期だそうです。ハワイなどもそうですが、日本のような春夏秋冬というような四季はなく、1年が大きく乾季と雨季にわかれます。スマートフォンで今週の天気を見せてもらいましたが、7日間ずっと雨マークが並んでいました。気温は26度前後。こんなに暖かいと風邪なんか引かないでしょう?と聞いたところ、さにあらず。やはり日本の冬のように風邪にかかる人が多いそうです。特に都会では大気汚染も相まって、Sariさんたちは、外から帰ると、まず着ていたものをすべて脱いで、頭の先から足先まで体を完全に洗ってから部屋に入るそうです。汚染物質や風邪の菌などを持ち込まないようにするためなのでしょう。

〔学校について〕
小学校も中学校も1つの学級には45人から50人の児童生徒がいるそうです。日本の学校の状況をとてもうらやましがっておられました。でも、今から35年ほど前、私が教師になったばかりのころは一クラスが45人でしたから、あまり偉そうなことは言えませんが…。

小学校や中学校で児童生徒を退学させることはあるのかと聞かれ、「それはありません。」と答えると、「日本は良い国ですね。」とおっしゃってました。インドネシアの小中学校では、悪いことをすると学校をやめさせられてしまうのです!

小学校や中学校を卒業するときに、インドネシアでは、卒業を認定するためのテストがあり、そのテストに合格しないと進学ができず、もう一度その学年をやり直さなければならない仕組みになっているそうです。これは子どもたちにとってはものすごく大きなプレッシャーで、毎年これを苦に自殺をする子どももいるということでした。

学業成績による序列化も厳しいとおっしゃってました。学期末や学年末には、親子で学校に行き、各学級で、担任の先生がみんなの前でその学級の成績優秀者(1番から10番くらいまで)を発表するのを聞くようになっているそうです。競走を促すためでしょうが、弊害の方が大きいと私なんかは思うのですが…。


 日本での勉強が終わったら、次はアメリカに行ってさらに勉強を続けたいとおっしゃっていました。たいへん勉強熱心な女性です。ただ、ISが世界でテロを起こすようになってから、イスラム教徒への風当たりがたいへん強くなって迷惑しているということでした。"Islamic State"などと「イスラム」を名乗ってはいるが、あんなのは本当のイスラム教徒とは何の関係もない、と強い口調でおっしゃっていたのがとても印象的でした。すべての敬虔なイスラム教徒の声なのでしょう。

 外国の方からじかにその国のことを聞くのはとても興味深いものがあります。また来年度も機会がありましたら、いろいろな国の方に学校に来てもらって、子どもたちにお話を聞かせてもらいたいと思っています。もし保護者の方々の中に、「こんな方を知ってるよ。」というような方がおられましたら、ぜひお知らせください。よろしくお願いします。

平成29年1月27日(金)

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最終更新日:2017127