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受動喫煙

 受動喫煙防止法案の国会提出をめぐって、厚労省と自民党がもめています。2020年の東京オリンピックに間に合わすために、飲食店を全面禁煙とする厚労省案に、自民党の愛煙家たちが「厳しすぎる」と反発をしているのです。
 約30年前、私が教師になったばかりの頃はどこもかしこも喫煙天国でした。学校でも、さすがに教室では吸えませんでしたが、職員室、会議室等では受動喫煙などなんのその、という感じでスパスパやっていました。本当に大げさではなく、会議中は会議室の前が見えにくくなるほどに紫煙で煙っていたものです。それだけ、タバコの害に対する意識が低かったということなのでしょう。
 実は私も愛煙家でした。20歳から28歳までの約8年間、毎日1箱ずつタバコを吸っていました。でも、知り合いの看護士さんからタバコの煙で真っ黒になった肺ガン患者の肺の写真を見せられてショックを受けたことや、結婚して、子どもができ、自分の子どもにタバコの煙を吸わせるわけにはいかないだろうと考えるようになったこと等から、思い切って禁煙をしました。やめるときは非常に辛かったことを覚えています。タバコをやめてからは体調がすごくよくなりました。特に、朝の歯磨き時、歯ブラシを口に突っ込んだときにいつも「オエッ」っとなっていたのがまったくなくなったことにはびっくりしました。風邪でもないのに、つねにゴホゴホと咳き込んでいたこともなくなりました。思い切って禁煙して本当に良かったと思います。
 タバコの健康に及ぼす害については明白です。まさに「百害あって一利なし」なのがタバコなのです。タバコを吸っている本人が病気になることは、ある意味自業自得的なところがありますが、問題はやはり吸いたくないのに、流れてくる煙を無理やり吸わされる周囲の人たちでしょう。自民党は分煙案を出しているようですが、どんなにうまく分煙にしたとしても100%煙を遮断することは不可能です。世界は今、分煙から完全禁煙の方向に向かっています。物質的な豊かさについては世界のトップレベルを走っている日本ですが、文化的にはまだまだ遅れていることを色々な面で感じます。2020年のオリンピックでは、日本はここまで成長しました、と世界に胸を張れるように、政治家の皆さんには頑張ってほしいと心より願っています。

平成29年5月17日

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最終更新日:2017517