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基礎・基本が大切

下の2枚の絵を見てください。左の絵はだれの絵か分かりますか?

そうです。かの有名なスペインの画家、パブロ・ピカソの絵です。では、右側の絵はだれの絵でしょうか?

普段あまり目にすることはないかもしれませんが、右側もやはりピカソの描いた絵なのです。とても同じ画家が描いたものとは思えないですよね。

基礎・基本が大切の画像1 基礎・基本が大切の画像2

初めて左のようなピカソの絵を見て、「これは上手だ!」と感じる人はいないでしょう。それが当然なのです。ピカソは自らの絵をとことん追究して、ついに「キュビズム」と呼ばれる独特の技法を完成させました。彼の絵は感性ではなく、理屈で理解しないと良いと感じることはできないのです。

このような風変わりな絵を描くピカソですが、右側の絵を見て分かるように、彼のデッサン力は極めて秀でたものがあります。この絵は彼が8歳の時に描いたということですから、なおさら驚きます。このような絵画の基礎であるデッサン力がしっかりしていたからこそ、ピカソは自分なりの応用力を自由に発揮することができたのでしょう。

安打製造器と呼ばれている大リーグのイチロー選手ですが、最初からあのように自由にヒットを量産できたわけではありません。そこに到達できたのは、何万回、何十万回というバットの素振りやストレッチ、筋力トレーニング等のいわゆる基礎練習の積み重ねがあったからに他なりません。

また、大相撲の横綱、白鵬は、大鵬が持っていた32回の優勝記録を44年ぶりに塗り替え、歴代最多の優勝回数を誇る大横綱ですが、彼もまた基礎練習をとても大切にする力士です。相撲の練習の時には、最初に必ず、すり足、四股、てっぽうと言われるような基礎練習をみっちり1時間行ってから取り組みの練習に入るそうです。彼は次のように言っています。

「自分の型を持ち、その型にこだわらない。」

基礎練習の積み重ねによって、やがて自分のもっとも得意とするやり方を身に付けることができるようになります。しかし、その方法にだけこだわっていると、それ以上の伸びはない、ということです。基礎・基本の上に、さらに、どんな変化にも臨機応変に対応できる活用力・応用力というものがあってこそ、はじめてその道を究めることができるのです。これはスポーツや芸術に限らずあらゆる分野において言えることではないでしょうか。

学校の勉強も、まず基礎・基本が大事。そして、さらにその上に、その基礎・基本を活用する力が求められているのだと思います。

平成27年5月8日

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最終更新日:2016510