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根来寺の歴史

 鉄砲伝来

鉄砲 天文12年(1543)8月25日(種子島の門倉岬)に明国船の姿現われ、三名のポルトガル人(南蛮人)により鉄砲火薬その他西欧文物が伝えられた。根来寺杉の坊算長(津田監物)は自ら種子島に渡り、鉄砲と火薬の製法を習いこれを根来の地に持ち帰りました。その鉄砲と同じ物を根来坂本に住む、堺の鍛冶師、芝辻清右衛門に製作させたのが本州最初の鉄砲と言われています。

津田監物

津田家家系図 種子島家の「鉄炮記」に現れる津田監物丞なる人物は種子島家の家臣のごとく表現され、時尭の使者として紀州の根来寺杉の坊某公に伝来銃の一丁を届けたとされている。 天文13年、津田監物は堺鉄砲鍛冶の始祖たる刀工、芝辻清右衛門妙西に伝来銃を示しこれを倣製せしめた。本州における最初の国産火縄銃は紀州根来寺の門前町、西坂本の芝辻鍛刀場にて津田監物のプロデュースのもとに誕生したのである。
我が国最古の砲術、津田流もまた津田監物をもって創始者とする。根来寺僧兵により鉄砲隊を創設し、永禄・元亀・天正の各年を紀泉に転戦し激戦を重ねたのも津田監物である。 紀州・津田家は河内交野の津田国見山城主周防守正信を出自とする。那賀郡小倉に住した津田家は将軍義晴より、従五位下小監物を叙せられ、後に根来寺・杉之坊惣門主となり杉之坊僧兵軍団は津田一族によって統率された。津田監物算行、監物算長、監物算正、監物重長に加へ、監物を冠称しなかった杉之坊院主・津田明算、二代院主津田照算をも津田監物と呼称した所に、多くの文献の錯乱と異説が生まれたのである。現存する紀の川市桃山町神田の津田算正氏宅の家譜を整理してみると左表の如くである。
根来寺を代表して杉之坊明算が種子島家に公式に伝来銃割愛を要望し、津田監物算長が使者となり根来へ持ち帰った、算長は芝辻に倣製を命じ、国産化と量産化に成功した。根来鉄砲隊を創設し、砲術を工夫しその精鋭度を高めた。津田流砲術の始祖となり、実子算正と照算に継承せしめる。しかし、この津田監物算長は永禄11年12月22日、69歳の天寿を得て没する。弟明算も永禄元年すでに先だち、算長の子照算が杉之坊惣門主となり元亀・天正の根来軍団の総指揮者として門跡を継いでいる。天正13年3月21日、根来寺の砦にて鬼神の如く荒れ狂い、幾多の剛敵を討ち取りながらついに増田長盛の手に殪れた津田監物とは、実に杉之坊二代目院主・津田照算その人であった。照算は自由斎を号し、父算長に劣らぬ砲術家であり、その系統は没後重長に継がれ津田流・自由斎流として後世の数多くの砲術流派の根幹となった。すなわち津田流は津田守勝へ自由斎流は津田自由斉世徳へ伝えられ、この後津田家の血伝は失われて行く。津田監物算長こそが根来鉄砲の普及者であり、和流砲術の宗祖であり、根来鉄砲隊の創始者である。根来寺滅亡の悲惨な最後を知ることもなく、紀の川市安楽川の墓石の下に静かな眠りを続けている。

根来寺行人方の和泉進出

根来寺 建武4年(1337年)に足利尊氏から和泉国信達庄の寄進を受けたのをきっかけとして、根来寺勢力は風吹峠を越えて和泉国に進出しました。 根来寺行人方と反守護勢力の在地武士団が連合したことにより強力な軍事力で他領の荘園代官職を獲得したり、高利貸を営みながら、その勢力を拡大していきました。

信長の雑賀攻めと根来行人勢

 戦国時代の根来寺の勢力は、南河内から和泉、岸和田付近まで及んでいました。鉄砲をいち早く取り入れた強力な武装集団として、戦国大名にとっても無視できない存在でした。天下統一を目指す織田信長は、石山本願寺の制圧にのりだしますが、容易に陥落せず、天正5年、本願寺の兵力の一翼を担う雑賀党を攻めます。この時、杉之坊などの行人方は利権を守るために、顕如上人の願いを退け、信長に味方しました。その結果、鈴木孫一らに率いられる雑賀衆は、信長の軍門に下りました。その余勢をかって信長は、高野山を攻めますが、根来の軍勢の動向を意識し、決定的な策をとれませんでした。

秀吉の紀州攻め

  信長没後、羽柴秀吉が天下統一にのりだし、尾張で徳川家康・織田信雄の連合軍を攻めました。この時、秀吉の制圧を予期した根来勢は、徳川・織田方と通じ、岸和田城を攻めますが、秀吉の留守部隊に敗れます。翌天正13年、徳川家康と和議を結んだ秀吉は、「根来一寺を滅ぼせば、紀州の諸豪族は刃を交えず降伏する」と、根来勢の徹底壊滅にのり出しました。すさまじい勢いの秀吉軍10万の大軍を相手に根来勢は、積善寺をはじめに、千石堀、沢、畠中と次々に出城を攻め落とされ、根来寺に秀吉軍が着いた時には、寺衆すでになく抵抗する者はいなかったと伝えられます。そして、中世の紀北を席巻した根来寺を根絶するかのように、根来一山は灰燼と化したのです。

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最終更新日:201632
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